MISATO WATANABE *** 渡辺 美里
私が世界一、好きな歌い手です。本当に、いい声しています。
若々しく、まっすぐでありながら、しみじみ心に染み渡るような歌。こういう風に歌える人、他にいないですね。
誰かの二番煎じではなく、唯一無二のその人自身であるということは、美里さん自身が歌っているように、
本当の勇気は いつの日も 自分らしく素直に生きること ――「悲しいね」より――
真実、難しいことであると感じます。そしてとても好きだなぁと感じるのは、その実現の仕方がエゴイスティックでなく、繊細な思いやりに溢れているとこ
ろ。
ライブの形式一つにしても、「私の芸術は一部の人にしか分からないのよ」みたいな…たとえそれが真実だとしても…方法もありますが、彼女は西武スタジア
ムでのライブを、毎年毎年、04年まで20年、続けた。
まっすぐに歌い続けて20年。
そのことに、彼女の音楽に対する姿勢、社会に、ファンに対する姿勢が現れていると感じます。
戦うことだけが 人を 強くするとは限らない
誰かに流した涙の温もりが 胸 伝うとき
本当の強さの意味を知っていく ――「YOU」より――
コブクロの小渕さんは、私と同じ筋金入りの美里ファンだけあって、彼女のスピリットを深く理解された詩を書いて下さいました。うれしいなぁ。日本中が不
況脱出、利益確保と戦々恐々している時に、これは勇気ある詩だと思うのです。
美里さん自身は今どう思ってらっしゃるか分かりませんが、私は、彼女の基本はやはりロックンローラー!!…だと思います。そりゃもう、こてこての。
…
意識せずとも存在自体がレジスタンスである人って、いるもんです。私も、自分は同類だと思っていますが…。
大勢におもねらないこと。
オリジナルであるということ。
自らを振り返る力、自分で考える力のない人には、自分を見つめ続け、捨てずに生き続けている人というのは、その存在だけで脅威なのではないでしょうか。
かのミッチーこと及川光博さんが、某番組で三輪明宏さんへ「貴方は真実のロックンローラーだと思う」というように言われてましたが、これは同じ意味だと
感じました。