「風の谷のナウシカ」

 アニメしか観ていないという方、絶対読みなさい!!もったいないです。映画の十倍くらいスケールも大きく、複雑で重厚な、奥深い力作です。読むと、「もののけ姫」そして「千と千尋」へ至る彼の心の軌跡が、理解できるような気がします。アニメでは悪役の域を 出なかったクシャナが、ナウシカの向こうを張る人物として登場します。…とにかく、すばらしいです。

 特に好きなのは、ラスト間近。ナウシカが「私はうそをつきました。これからもつき続けるでしょう」と心の中の“僧正さま”に語りかけるところと、『命は光だ!』と豪語する「偉大なる何者か」との最後の対決で、「私たちは血を吐きながら明日へ向かって飛び続ける鳥」「命は闇の中のまたたく光だ!」と叫ぶ彼女の、満身創痍、壮絶な姿です。
 「命は光だ」なんて、誰もが反論できなさそうな正論めいた耳ざわりのいい言葉の中に潜む欺瞞。それを鋭く突き抜けたナウシカの言葉に、ものすごい衝撃を受けました。
 必読です。
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