萩尾望都

 彼女の作品では、やはり「ポーの一族」「トーマの 心臓」「マージナル」そして「ゴールデン・ライラック」が好きです。「残酷な神が支配する」は痛々しくて、1巻から飛ばして父母が死んだ後の下りを読みました。
 もしかしたら一番好きかもしれない
「マージナル」は、ファンタジックなSF作品。感染症のせいで、女性から子どもの生まれない「不妊の星」となった地球。人は短命で、全てドーム都市の「マザ」から生まれる。人々は「マザ」から子どもを貰い、育てて生活している。しかし、出生率は年々減少し、年老いた「マザ」に人々は不安を募らせていた。そんな中、砂漠をさまよっていた「キラ」と名乗る少年を、薬師の青年が拾う。青年たちは、ある目的を持ってドームを、「マザ」を目指していたのだった…。
 O2っぽいのも出てきますし、これまた重層的な深みのある物語で、ラストはかなり感動。うん、すごい好き。この作品はラジオドラマになり、部活でそのサントラを聴いたのが出会いでした。面白いサントラだったんですよ〜。パッケージも作者の絵で、すごく印象的だった。考えてみれば、今ほどBLがメジャーでもなんでもない時代に、あの作品をラジオドラマにするとは、かなり勇気ある選択だよなNHK。聴いてみたいなぁ…。アーカイブズ行けば聴けるのかな?
 
「ポーの一族」は浪漫ティックな美しい絵で、バンパイアになってしまった少年少女の道行 きを、19世紀から20世紀へと移り変わるヨーロッパの世相を絡め描いています。必読。移り行く世、成長し、歳を取り死んでゆく人々…。その中に、少年のままの エドガー、アラン、マリーベルが鮮やかに現れては、夢のように去ってゆく…美しいです。
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