小さなお茶会
Le petit the'
扶桑社;刊 猫十字社
 まだ子どもの頃に友人が貸してくれ、印象に残っていた作品です。完全版1〜4巻が出ていたので、買って読みました。ぷりん、もっぷという猫夫婦の、しみじみやさしい日常をつづったファンタジーです。
 “悲しいほど豊かな時があった”――という帯の コピーが、この作品をとても良く表現していると思います。殺伐と過激な作風が多い中、白眉と言えるでしょう。作品全体を通して感じられるガラスのような透明感が、「平和な日常」の儚さ、そしてそれを守る人々のひたむきな強さまでを、表現しているような気がします。
 15年くらい前は、今より雰囲気の優しい、美しい作品が多かったように思います。
 機会があれば、ぜひ。

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