Final Fantasy Z  ADVENT CHILDREN impression2

――――――――――――――――――――――――――――――――  シ ナリオについて
 
 賛否両論あるようです。確かに、アドヴェント・チルドレンと銘打った割には、子ども達の存在を活かしきれていない、描き方が足りない印象はある。でも ハッキリ言って、そんな細かい部分はどうでもいい。

 要は、このようなシナリオは日本人にしか作り得ないだろう、という 点にあります。日本人 にこそ気付かれ難いこの作品の面白さ、価値がある。そしてそれは、世界的にみて非常に特異です。

 『ライフストリーム。それ は星を廻る命の流れ。そして、この星に生きる、全ての命 の源です』

 作品はほぼこの台詞から始まります。クラウド達の生きる『星』を一つの意思ある生命体と捉え、その上に生きる全ての命は、その流れの中で生きている。そ れが、この作品の世界観です。

 こんな世界観の作品は、まず西欧の国々には作れない。一神教の世界観が幼少時から植え込まれる文化圏では、作れないのです。実際、今まで見たことないで しょ?

 FFZ、クラウド達の物語は、この世界観があってこそ成立します。

 最初にこの台詞を持って来たのは、FFZ本編の説明が主眼だったのでしょうが、結果的には全く堂々たる日本人宣言になったと思います。

 このACのような作品は、私達の文化からすれば、技術が進めば当然現れるであろう、ある種「アニメーションの究極形」です。だから、すごい!とは思って も、こういう作品が作られること自体に、さほど意外性はないかもしれません。

 でも、世界広しと言えども、こんな作品を作れるのは日本以外に無い。平安時代から始まる戯画の歴史を下敷きに、成熟したマンガ・アニメ・ゲームの文化を 持ち、最先端のCG技術を持ち、稀有なアミニズムの宗教観を持つ日本だから、作れたシナリオ。

 そして、ファイナル・ファンタジーだから描けた物語。

 稀有なもの、珍しいもの、今までなかった初めてのものというのは、それだけで価値がある。細かなところはどうでもいい。私は、高く評価してよいと思いま す。


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