dreamin - dreamin


 ――夢を見た。

 薄暮とも夕暮れともつかぬ灰色の闇と。

 同じ色の水面。

 ぼんやり自分の足元を見つめていた背後へ、不意に人の気配を感じて、振り返ろうとする。

 「動くな、クラウド」

 硬い声が命じた。よく知っている、忘れられない声。

 「振り向くな――向かい合えば俺達は、剣を交えなければならない……違うか?」

 ――心が叫ぶ。彼の名を。

 セフィロス。

 俺は、命じられるまま動きを止めた。

 本来なら、どこであろうと、何があろうと、正面から対峙して、戦わねばならない相手に。

 背を向けたまま。

 彼の声の中の何かが、心の奥底に疑問符となって触れたから。

 “俺達は”?

 「――あんたは、誰だ」

 かすかに嘲笑うような気配。

 「誰だろうな?……教えてくれ、クラウド。お前の中で眠る何かなのか――それとも、お前がニブルヘイムで殺した男の、残像か」

 緊張は無くさず、姿勢を戻す。

 「……何をしに来た」

 「――さあ。……ただ……たまにはこうして背中合わせで、お前と話をするのもいい。――夢の中ならば。…違うか?」

 「――夢、か」

 そう、夢ならば。

 赦されるだろうか。ひととき、戦いを忘れ、剣を置いたとしても。

 夢の中で瞼を閉じる。

 暖かな人の気配を背中に感じながら。


 ゆるしてほしい――ほんの少しだけ。  この温もりに、背を、預けること を。

* いやもう、何と言うか。「クライシス・コア〜ファイナル・ファンタジー Z」プレイ中なのですが。
これが、まったく。
……むちゃくちゃに、やるせないのです。
ザックスも、セフィロスも、エアリスも。
そして、これから出てくるであろう、クラウドも。

FFZは、やっぱり特別。
キンハとかも好きですが、別格。
何だかね、本当に、10年来の友人達のような。
心の奥深くに入り込んでしまっているのです。

もしかしたら、沢山の開発者とファンの愛が、彼らに魂を与えたのかもしれない。
そう感じます。