DIRGE of CERBERUS
The First Impression

観ました、やりました!!『ダージュ・オヴ・ケルベロス〜 ファイナル・ファンタ ジーZ』
――感慨無量。としか、言えません、やはり。
FFZという生命の物語は、終焉をむかえました。
クラウドたちは、この先も、あの星の上で生きていく…いつか、星へ還るまで。
自然にそう思える、すばらしいラストでした。

『命』
『約束』

『大丈夫。また、会えるよ』
『一人じゃない』

『罪』と『罰』、それから…『赦し』

何だかもう、涙が出てきます。今という時代、この日本で、失われかけている大切なこと。それがこういうゲームの中で追及され、表現されているなんて―― もったいない気がするわ。

語り尽くせぬFFZではありますが、とにかく「良かった点」「そりゃどうよ?!という点」に分けて語ろうかと思います。ネタばれはほぼ、ありません。全く ないとも言えませんが。

≪これはよ かった!!≫
 ソフトを入れるとまず始まる、オープニング・ムービー。超かっちょえェ―――!!音楽がすっごく良く て、音がまた大変良くて、映像のキレ、美しさ…どこをとっても文句なく最高レベル。
 ――すごい。素晴らしすぎる!
 このオープニングにそれはもう凄まじく感動した勢いで、17時間全編クリアし ちゃったのですもの。本当に、今もエンドレスで流してますけれど…美しひ…(T_T)。スタートしてから始まるプロローグ・ムービーが、こ れまた美しい。FFZのエンディングに二人がいなかったことの、ご 説明ムービーともなってます。

 音楽は、すばらしい音だな、と思ったら、演奏は東京フィルハーモニー管弦楽団。録 音が東京芸術劇場大ホール、でした。…………うん、なるほど。いい音だよ。すばらしいよ。ってゆーかスクエニって 何?!ACの時も散々思ったけど、ゲームの範疇を越えてるよ既に!!貴方たち、とにかく面白いものを作ろうとしか思っていないで しょう?!――企画、シナリオ、キャラデザ、キャプチャー、モデリング、システム設計、CG製作、作曲、録音、アフレコ、ムービー製作、サイト開設、キャ ンペーン展開、グッズのデザイン・製作、タイアップ、音合わせ、仕上げ、バグチェック、モニター試遊、バグ修正………ゲーム一つを完成させるのに、どれだ け大変か想像もつかないけれど、細部まで拘りきったこのクオリティ。日本伝統のアー ティスティックな職人気質だね。それでこそ“天下のスクウェア様”。大 好きだ。採算取れるのか心配になります。こういう作品を作らせてくれるという点で、スクウェアエニックスは、すばらしい会社だと思います。 だってDCっ て、「ターゲットは誰?!」って感じのタイトルですよ。ガンアクションとしてはシステム甘くてストーリーが重過ぎるし、FFZやってなきゃ話分からない し、RPGじゃな いし(FFZ好きはやはりRPG好きが主なのか、DCはガンアクションだから困った、という表現をあちこちのサイトでまま、見かけました。かくいう私もそ う)、あまつさえ“CEO12――12歳以上推奨”ですよ。
 多分想像するに、
「FFZの最後はヴィンセントで」
「片が付いてないの、彼だけですもんね。キャラも脇じゃないってほ ど立ってる し」
「ヴィンセントならガンアクションでしょう!!」
「RPGの締めがアクションっすか?!」
「それ、面白いねぇ。それでいこう」←最終決定は北 瀬プロデュー サーか?
…てゆぅ感じだったんじゃないかと…。「買う人いるの?」という会話もきっとあったでしょうけど、プロモーションと、「こいつはすごい」と言わせる作品に することで何とかしようと考えたと思われます。

 ユーザーとしては、とにかく、ありがとう。です。

 最初の最初、宝条博士へヴィンセントが銃を構える場面。…超かっちょえェ―――!!あそこの、背景が白く 飛んでいるところに感動しました。これは、CGでなきゃ表現できないんじゃないかな、ということと、こういう表現は長いアニメとマンガの歴史があったれば こそだな、という二点。あと純粋にヴィンセントが超かっちょえェ―――!!ちょっと眉を顰める演技が、たま らんです!!
 オープニングでは、一瞬出てくるロッソとアスールの場面が好き。ロッソの眼差しの色っぽさ、アスールが“にっ”と笑う表情が、いい。妙に好きです。この 二人の人格は、かなり嫌いなんだけれどね。

 ヴィンセントとルクレツィアの事情は、想像以上に複雑なものでした。あんなドロドロだとは…ごめん、ヴィンセント。あんたが暗いだけだと思ってたよ。引 きずっちゃったり30年も眠っちゃったり、あれなら納得できる。

 よいところそのA…台詞。セリフのセンスの良さが、FFZの大きな 魅力だと思うのですが、それは今作品にも生きています。不思議だな。シナリオ書いているのは野末さんとはまた別の人なのにね。ラスト近くの仲間たちの台 詞、ラスボス前のヴィンセントの台詞、エンディングムービーのそれ…ああ、感慨無量。
 特にラスボス前の演出は最高!!大笑いしちゃいました。まじめに喋れば喋るほど、愉快な感じになるのはどうしてでしょう、ヴィンセント。彼の言う「彼 女」がいかようにも受け取れるよう、ぼかしてあるのも小憎いすてきな演出だと思いました。

 エンディングムービーの美しさも特筆に価します。

 んでもって、ユフィがめっちゃかわいー!!やっぱりかわいい〜っvvFFZに出てくる女の子は皆そうだけ ど、すっごく性格が良いですね。やさしくて、女の子らしい弱さはあるけれど健康で、芯が強い。そして、自分の考え方がしっかりしている。人間らしい女の子 達。
 おどけたり、強がったり、船酔いしたり、怒ったり。基本、明るくて、故郷が大好きで、思いやりが深くて。ユフィはまた妙に健気なところが(いや、ティ ファも相当健気なんだけど、すでに“かあちゃん”だし彼女)可愛い可愛い。エンディングムービーの最後まで、むっちゃ可愛かったです。
 後から、彼女の登場シーンを振り返ってみると、色々意味が分かってきてまた楽しい。

 ところで、ガクトってどれ?どこに出てるの??

≪イマイチ!!なところ≫
 ………ルクレツィア博士の服。どーした野村さん?ちょっとかなり大分許せないくらいダッサイぞ〜っ?!髪 の毛もボリューム多すぎるでしょう?!それ。服 と言えば、シャルアの服も……ちょっと待てよ何だそれおいおい!!ってくらい、イケテナイと思う。青いハイヒールはないだろう。う〜ん…。でも、シャルア は性格かなり好きだけど。
 それから、宝条がトリッキー過ぎる。声質もシナリオも、もっと抑え た方が、むしろマッドな感じが出るんだがな。完全大人向けの作品なんだから、あんな風 に大げさにデフォルメしないで、彼はマッドだけれど頭が良くて悪の魅力を備えた男、という形にした方が自然だよね。仮にもルクレツィアが身を任せるには気 持ち悪すぎるよ〜(-_-;)。絶対ありえねー。生理的に無理でしょう、あの宝条じゃ。FFZでの彼は、声がないせいもあるのか、マッドで気持ち悪いけど ちょっと面白そうな男でもあった。30年若いんだから、もっと良い風に描いた方が、説得力があったと思います。
 ブーイングそのBはラスボス。これもなー、野村デザインがなー…ちょっとさすがに“またかよ”、みたい な…。 Zがセフィロス、キンハがアンセム、ACがカダージュたちで、キンハUが13機関。あの手のデザインはちと見飽きた。オメガはグッドデザインだと思ったけ れど、あれは野村さんか?カオスなヴィンセントがデビル・メイ・クライのデビルトリガー発動時ダンテとかぶっている…ま、これはZの方がデザイン的に先だ から、ダンテの方がかぶっていると言うべきだろうが。
 EASYモードのおかげさまで倒すのに苦労しなかったのはありがたい、ような、手応えが無いような…。

 アスール倒すのには苦労しました。いやー、それはもう無様なヴィンセントだっ た。わはははは。でもあの倒れ方のみっともなさとか、うめき声のオヤジっぽさとかがヴィンセントらしくて私は好き。

 地下が多くて画面が暗い。…ま、これもヴィンセントらしいと言えばらしいのだが。
 回想シーン“思い出の場所”の花の色が、趣味悪い。ちょっと自然界 にはありえない不自然さで、美しいシーンのはずなのに、花の色が台無しにしていると思いました。木々と光の表現は、やはり『ICO』が最高かな。

 他にもちょろちょろありますが、まぁ、色々な不備を補って余りある良いところの結果として、つまりDC最高!!で す。エンディングは本当の本当に感動。ヴィンセントが最後、ルクレツィアへ投げかける言葉。あの一言で、全ての不備は相殺されると思います。マジで。すば らしかった。

 「ありがとう」
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