NEON JENESIS EVANGERION


 「残酷な天使のテーゼ」を久しぶりに聴いたら、えらく感動してしまいました。すごい歌詞だなと思って。
 私はこれ、母から息子への歌だと思うんです。
 恐ろしく、哀しく、そして中々すてきな歌だと思います。幼い碇少年を抱いているユイさんの歌かな。特に好きなのは、2番のくだり。
もしもふたり逢えたことに意味があるなら
私は そう 自由を知るためのバイブル
 手放すために子を産み、育てる。 それが自然の法則なのですが、なぜかまた人間だけその則(のり)を外れている。
 人間は愛情を持って育てると、その子どもを手放したくなくなる。自分が寂しくなるから。それでも、手放さなければ、子どもを生み育てる意味はない。
 子どもは常に「次の世代」であり、「新しい人間」だから。
 まさに「残酷なテーゼ(課題)」。
 けれど実際、多くの親が「自分のために(あるいは自分勝手に)」子を作り、産み、育て、それを「恩」として陰に陽に子どもから取り立てようとする。
 おかしなことだと思います。
 アニメのテーマ自体「オイディプス・コンプレクス」や「エレクトラ・コンプレクス」などのテーマが強く感じられますし、多くの人が目を逸らし、甘いファ ンタジーに包みたがる、そういうどろどろした人間の姿を正面切って描こうとした点で、この作品はやはり偉大だと思います。
 材料も面白いですよね、死海文書とか。ちらっとしか読んでないのですが。
 それから何と言っても、オリジナルの主題歌に象徴される、作り手の気合が入っていること!動きがいいです!原画マンの力量でしょうね。…最近 「.hack」なる深夜アニメをたまたま見ましたが、動かないったらありゃしない(-,-;)。設定も押井守の「アヴァロン」とかぶってると思いますし。
 ハイジとは対照的な無機質な街の様子、閉鎖的な環境、グロテスクな表現。見れば見るほど不愉快だけど、面白い。「キャラクタ」ではなく「人 間」を描こう、何か新しいもの、心に残るものを作ろうという気迫が感じられます。
 …それなりに真面目には作ってあるけど、色使いもコマ割りもデッサンもへなちょこな最近の「人気マンガ原作アニメ」とは格が違うね。

 やっぱり映像表現として斬新なものがありましたよね。各方面に影響多大でしたもの。特にテレビ。今は当たり前になっているあの文字がばんばん出てくる の。あれって多分そうだと思いますが。
≪My Favolites   BBS   Entrance≫